データ分析会社とは、高度な知識を有する専門家によるデータ分析、またはデータ分析基盤の構築・運用支援を通じて企業の業務改善やビジネス推進を支援する企業のことです。近年、データの利活用を推進する企業が増えており、それに伴って様々なデータ分析会社が登場しています。本記事では、データ分析会社を比較選定する際のポイントや利用時の注意点を説明します。

データ分析会社を比較選定する際のポイント

データ分析会社を比較選定する際のポイント

 

データ分析会社を選定する際、特にチェックしておきたいポイントは以下の3つです。

 

  • 取り扱うデータの種類・得意領域
  • サービスの内容・提供範囲
  • 担当者のスキル/コミュニケーションの姿勢


各項目を詳しく見ていきます。

取り扱うデータの種類・得意領域

データ分析に用いられるデータの種類は多岐にわたり、どのようなデータ分析を得意としているかは各社異なります。そのため、まずは取り扱うデータの種類や得意領域が自社の目的に合っているかを確認する必要があります。

 

<企業が利活用するデータの例>

  • 顧客データ(性別、年齢、職業、購買履歴など)
  • 売上データ(販売数量・金額、販売チャネル・地域など)
  • 広告データ(コスト管理、態度変容率、メルマガのレスポンス数など)
  • イベントデータ(集客数、アンケ―ト集計など)
  • 問い合わせデータ(問い合わせ内容、件数、通話時間など)
  • 生産管理データ(生産数、原価率など)
  • オープンデータ(国や自治体が公開しているデータ)

 

<データ分析の例>

  • ビッグデータを活用した需要予測・在庫の最適化
  • アクセスログ解析による営業支援
  • AI技術を用いた顧客の分析・スコアリング
  • ソーシャルメディア分析による販促施策の改善
  • IoTデータを活用した来場者の動線分析

サービスの内容・提供範囲

一般的なデータ分析会社のサービス内容は、大きく3つに分けることができます。

 

  • コンサルティング(事業課題の整理、データ活用のシナリオ策定など)
  • データ分析ツールの導入・運用支援
  • データ分析基盤の構築支援
  • データ活用人材の育成支援(セミナーや研修の実施、データ分析組織の構築支援など)

 

提供内容は各社異なるため、自社が求めるサービスを強化しているところを選びましょう。

担当者のスキル/コミュニケーションの姿勢

データ分析会社に依頼すると、専任のデータサイエンティストやデータエンジニアがつくのが一般的です。効果的なデータ分析や基盤構築を行えるかどうかは彼らの力量に左右されるため、あらかじめスキル感や相性を確認しておきたいところです。

 

相談や打ち合わせの際などに、以下の観点でチェックすると信頼できるかを見極めやすくなります。

 

  • 過去に手掛けた案件の実績・成果
  • こちらの話を傾聴してくれるか
  • 業務プロセスや課題をしっかりと理解しているか
  • 質問に対して適切なレスポンスや提案が返ってくるか
  • 専門用語を多用せず、わかりやすい言葉で説明してくれるか

課題・ニーズ別に見たデータ分析会社の向き・不向きの傾向

どのようなデータ分析会社を選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。

 

課題・ニーズ

向き・不向きの傾向

担当者の勘と経験に基づいて需要予測を行っているためブレが生じやすい

ビッグデータや業務データを組み合わせた需要予測を得意とするデータ分析会社であれば、自社に合った予測モデルを構築してもらえ、需要量の算出を自動化できる

TwitterやInstagramに多くの口コミが投稿されているが、マーケティングに活用できていない

ソーシャルメディア(SNS)や口コミサイトのデータ分析を得意とするデータ分析会社が適している

部門ごとにシステムを導入してデータ管理を行っているため、横断的なデータ活用ができていない     

データ連携やデータ統合基盤構築を得意とする分析会社であれば、オンプレミスやクラウドシステムに分散するデータを連携・収集し、効果的な分析・活用方法を提案してもらえる

データの利活用を推進するチームを立ち上げたいが、人材やノウハウが不足している

データ分析を担う人材育成や組織体制構築を得意とするデータ分析会社が適している

データ分析会社を利用する際の注意点

データ分析会社を利用する際の注意点

 

データ分析会社を利用する際は、以下の2点に留意しましょう。

データ分析の目的の明確化・共有

データ分析会社は、クライアント企業の目的に応じてデータ分析施策を提案・実施してくれます。そのため、目的が曖昧だと分析の方向性が定まらず、ビジネスに役立つ結果が得られなくなる可能性があります。依頼の際は、何のためにデータ分析を行うのかを明確にし、データ分析会社と共有しておくことが肝要です。

対象業務の洗い出し・整理

効果的なデータ分析を行うには、データ分析会社に業務内容や業務プロセスを正確に把握してもらう必要があります。そのためには自社の適切な情報提供が不可欠となるため、あらかじめ対象業務を洗い出し、作業項目や手順をわかりやすくまとめておくと分析会社が着手しやすくなります。

自社に合ったデータ分析会社を見極めよう

データ分析会社を選定する際は、まず自社の課題やデータ活用の目的を明確にすることが先決です。そのうえで、取り扱うデータの種類や得意領域、サービス内容が自社にマッチしているところを選定しましょう。あらかじめ担当者との相性も見極めておくと安心です。ご紹介した選定ポイントを参考に、最適なデータ分析会社を見つけてください。