顧客起点の商品開発やマーケティングを行う上で、リサーチは必須となりつつあります。企業のリサーチ業務を支援・代行するのがマーケティングリサーチ会社(マーケティングリサーチサービス)です。近年は幅広いサービスを展開しているため、選定時の見極めが難しいという声も聞かれます。本記事では、マーケティングリサーチ会社を比較選定する基本ポイントや利用時の注意点を説明します。
また、導入実績の多い代表的なマーケティングリサーチ会社をご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
マーケティングリサーチ会社の比較方法・選び方
マーケティングリサーチ会社を比較選定する際のポイント
マーケティングリサーチ会社を選定する際、特にチェックしておきたいポイントは以下の4点です。
- 対応する調査手法
- 調査パネルやモニターの量・質
- サービスの提供範囲
- 担当者・リサーチャーの質
各項目を詳しく見ていきます。
■対応する調査手法
マーケティングリサーチには様々な手法があるため、自社の調査目的に合ったものを選ぶ必要があります。
代表的なマーケティングリサーチの手法は以下の通りです。
<定量調査>
調査結果を数量や割合などで把握して集計・分析します。
- インターネット調査
- 会場調査
- 郵送調査
- 訪問調査
- ホームユーステスト
<定性調査>
数値や割合で表現できない心の動きやインサイト、行動を把握・分析します。
- デプスインタビュー(1対1で実施)
- グループインタビュー(複数名を集めて実施)
どのような調査手法に対応しているかは各社異なります。インターネット調査や定性調査に特化したリサーチ会社もあるので、自社の調査の方向性にマッチしたところを選んでください。
■調査パネルやモニターの量・質
精度の高いマーケティングリサーチを行うには、調査目的に合ったパネルやモニター(調査対象者)を選定する必要があります。
多くのマーケティングリサーチ会社は独自の調査パネルやモニターを保有・管理しています。登録数や属性などを確認し、調査に必要なサンプル数を確保できるところを選びましょう。
■サービスの提供範囲
マーケティングリサーチ会社のサービスは、大きく3つのフェーズに分けることができます。
- 調査計画の立案
- 調査票の設計・実査
- 回答の集計・分析・報告
多くのリサーチ会社はすべてのフェーズに対応していますが、サービス内容は異なるため注意が必要です。
例えば、どのような調査を実施すべきかを相談できるコンサルティングが手厚いところや、調査結果を踏まえてマーケティング戦略の提案まで行うところなど、提供範囲・強みはリサーチ会社によりけりです。
自社が必要とするサービスを提供している会社を選定しましょう。
■担当者・リサーチャーの質
マーケティングリサーチ会社に依頼をすると、専任の担当者やリサーチャーが付くのが一般的です。狙い通りの調査を実施できるかは担当者の能力・スキルに左右されるため、検討段階で見極めておきたいところです。
主なチェックポイントは以下です。
- 自社の調査目的・課題の理解度
- 目的に合った調査手法の提案力
- これまでに手掛けた調査の実績
- 客観的な視点でのアドバイス
相談時の話を聴く姿勢や発言内容から、これらの点を確認しておきましょう。
課題・ニーズ別に見たマーケティングリサーチ会社の向き・不向きの傾向
どのようなマーケティングリサーチ会社を選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
自社のターゲット層がニッチなため、調査時に対象者を集めるのに苦労することがあった |
調査パネルやモニターの登録数が多い大手リサーチ会社であれば、自社に合った属性の対象者を集めやすい傾向がある。 |
定量データだけではユーザー理解の精度が低いと感じる/自社のターゲット層のインサイトを深堀りしたい |
デプスインタビューやグループインタビューなどの定性調査の実績が豊富なリサーチ会社が適している |
グローバル市場への参入にあたりマーケティングリサーチを強化したい/海外の生活者やユーザーの実態を把握できていない |
海外に拠点があり、現地調査の対象者手配から翻訳、オペレーションまで一括対応しているところが良い |
大規模な定量調査をスピーディかつ低コストで実施したい |
会場調査や郵送調査より短期間かつ低コストで実施できるインターネット調査を得意とするリサーチ会社が向いている |
マーケティングリサーチ会社を利用する際の注意点
マーケティングリサーチ会社の利用時は、以下の2点に留意しましょう。
■調査で知りたいことを明確にしておく
マーケティングリサーチ会社は、クライアントの調査目的に沿って調査計画を立案します。目的が不明瞭だったり、「あれもこれも」と調査したい項目が多すぎたりすると、効果的な調査を設計・実施しづらくなってしまいます。依頼する際は、あらかじめ調査で知りたいことを明確にし、調査項目もできる限り絞るようにしましょう。
■インターネット調査の品質管理体制を確認する
対面調査と比べて手軽に参加できるインターネット調査では、虚偽のプロフィール申告や不正回答が発生することがあります。不正な申告・回答は調査結果の信頼性を損なうため、データクリーニングなどでモニターの品質管理を強化しているリサーチ会社を選ぶことが大切です。
効果的な調査を実現できるマーケティングリサーチ会社を見つけよう
マーケティングリサーチには様々な調査手法があるため、リサーチ会社を選定する際は自社の目的に合った調査に対応・得意としているかを確認してください。また、リサーチ会社が保有する調査パネル・モニターの質やサービスの提供範囲、担当者の能力も見極めておきたいポイントです。
ご紹介したポイントを参考に、効果的な調査を実現できるマーケティングリサーチ会社を見つけてください。
マーケティングリサーチ会社 3選
1.Sprint
(参照元:https://chat-interview.com/)
サービス名 |
Sprint |
キャッチフレーズ |
5分で出会えるチャットインタビューサービス |
サービス概要 |
Sprintは、オンラインで定性調査を行うことができるチャットインタビューツール。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・対象者とのマッチングは5分間で完了 |
価格 |
・アンリミテッドプラン 198,000円 / 月額 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.秒速リサーチ
(参照元:https://r-n-i.jp/service/code/kailog-per-second-qa/)
サービス名 |
秒速リサーチ |
キャッチフレーズ |
信憑性の低いアンケートはもうやめませんか? |
サービス概要 |
とある商品や特定の商品カテゴリを自然購入した消費者に最速1分でリサーチ(アンケート)が可能となる、全く新しい発想のマーケティングリサーチサービスです。これまでのWEBアンケートは決して信憑性が高いとは言えませんでした。しかし、レシートと商品バーコードを活用する仕組みで特許を取得している「CODE」を活用することで、これからは、確実に購入した消費者からリアルタイムに声を聞くことが可能になります。そして、商品開発/改善のPDCAを迅速に回すことができるようになり、また競合商品もかんたんにリサーチすることが可能です。 |
向いてる形態 |
BtoC |
導入社数 |
約 200 社 (2021年02月18日時点) |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3.アンケート入力&集計 プラスワンリサーチ株式会社
(参照元:https://www.p1-r.com/)
サービス名 |
アンケート入力&集計 プラスワンリサーチ株式会社 |
キャッチフレーズ |
全てのサービスにマーケティングリサーチの光を |
サービス概要 |
店舗・施設の為の顧客満足度アンケート運営サービスです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・調査企画・実査・分析 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |