ソフトウェア開発の検証作業をアウトソースできるソフトウェアテスト(ソフトウェア品質保証)。開発品質の向上はもとより、生産性向上や検証ノウハウ獲得など多数のメリットを得られます。ここでは、企業がソフトウェアテストを選ぶ際に押さえたい比較ポイントと向き不向きの傾向、サービス利用時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的なソフトウェアテストをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
ソフトウェアテストの比較方法・選び方
ソフトウェアテストを選ぶときのポイント
ソフトウェアテストを比較検討する際は、以下の点をチェックして自社に適したサービスを選びましょう。
■得意な検証ジャンルは何か
ソフトウェアテスト会社には、それぞれに得意とする検証ジャンルがあります。サービス選定では、まず自社が開発するソフトウェアやシステムに強いベンダーを探しましょう。ソフトウェアテストの対象となる主なジャンルには、次のようなものがあげられます。
- 業務システム(基幹システム・POSなど)
- Webサービス(ECサイト・ポータルサイトなど)
- 医療システム(医療機器・電子カルテなど)
- 車載システム(パワートレイン制御・ADASなど)
- デジタル機器(オーディオ・カメラなど)
- ゲーム(家庭用・業務用など)
- モバイルアプリ(iOSアプリ・Androidアプリなど)
上記は一例であり、交通システムや産業ロボットなど、ソフトウェアテストの対象ジャンルは多岐にわたります。HPや導入事例などを参考にサービスメニューや実績紹介といった得意ジャンルをチェックして、利用候補とするベンダーをピックアップしましょう。
■自社が求める支援サービスを扱っているか
ソフトウェアテスト会社では、ソフトウェア品質保証に関連する多様な支援サービスを提供しています。自社に必要なサービスを検討した上で、ニーズに合うベンダーを選定しましょう。ソフトウェアテストの主な提供サービスには、次の5つがあげられます。
- オフサイト検証(受託検証)
- オンサイト検証(テストエンジニア常駐)
- テスト自動化支援
- アジャイル開発支援
- 品質保証コンサルティング
自社のニーズに合うベンダーを絞り込んだら、各社の持つ強みもチェックしましょう。「独自のテスト管理ツールで検証を効率化できる」「上流工程の検証に強い」といった強みを比較して、開発パートナーとして魅力的なベンダーを選定してください。
■リソースは充実しているか
ソフトウェアテストの品質は、ベンダーが保有するリソースに左右されます。サービス選定では次の2点をチェックして、リソースが充実したソフトウェアテスト会社を選び出してください。
- 人材数および専門資格取得者数
- テスト端末の種類と保有台数
ソフトウェアテストに関する専門資格には、「IVEC(IT検証技術者認定試験)」「JSTQB認定テスト技術者資格」などがあります。テスト品質の判断材料として、これら資格の取得者数は必ず確認しておきましょう。
テスト端末の種類や保有台数は、ソフトウェアの動作シミュレーションに影響する要素です。豊富な端末をそろえ、多様なシミュレーションに対応できるベンダーを選定するとよいでしょう。
■イレギュラーな依頼に対応できるか
ソフトウェア開発にスピードが求められる昨今では、迅速な検証作業が必要となることも少なくありません。サービス選定では、イレギュラーな検証依頼が可能か否かを確認しておきましょう。ベンダーによっては、24時間365日体制で急な検証にも対応してくれます。
■テストセンターの所在地は適切か
ソフトウェアテストの利用方法として、オフサイトでの検証委託を検討している場合は、ベンダーが持つテストセンターの所在地をチェックしておきましょう。
テストセンターが自社の近くにあれば、現場の視察や意思疎通のための訪問を行いやすくなります。また、東日本と西日本で動作環境が変わる製品をテストする場合は、東西の各地域にテストセンターが必要となるでしょう。
このほか、地方のテストセンターを利用することにより、検証コストを節約できる場合があります。こうした点を考慮して、自社にとって適切な地域でのテストセンターの利用が可能なサービスを選定してください。
課題・ニーズ別に見たソフトウェアテストの向き・不向きの傾向
ソフトウェアテストの選定では、自社の要望や課題にマッチするサービスを選ぶことが肝要です。次の表を参考にして、自社にはどのようなサービスが向くか検討してください。
業種 |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
なるべく安価にオフサイト検証を依頼したい |
・オフショア検証またはニアショア検証を依頼できるサービスを検討するとよい※オフショア検証=海外の拠点や現地企業に検証を委託するサービス/ ・ニアショア検証=国内の遠隔地域など、固定費を抑えて検証を行うサービス |
ソフトウェア検証コストを変動費化したい |
・1日で完了する検証作業から長期案件まで自在に依頼できるサービスが適している ・最少1名から必要な人数のエンジニアを派遣してくれるサービスも選択肢の一つ |
検証委託を通じた情報漏えいが心配 / 社外に製品情報を持ち出せない |
・オンサイト検証(テストエンジニア常駐)に力を入れているサービスを検討するとよい |
自社リソースだけで高度な検証を行えるようにしたい |
・テストエンジニア育成支援を依頼できるサービスを検討する |
ソフトウェアテストの利用時に注意すべき点
ソフトウェアテストを活用する際は、以下の点に注意が必要です。
■欠陥をゼロにすることは不可能
優れたテストエンジニアがソフトウェア検証を行っても、欠陥がゼロであることは証明できません。複雑にプログラミングされたソフトウェアに対して、あらゆる欠陥や不具合をしらみつぶしに検証することは不可能だからです。
ソフトウェアテストで証明できるのは、実施したテストに対する結果のみです。過度な成果を期待してしまうと、双方にとってマイナス面が出てしまうため注意しましょう。
■上流工程からの検証委託を検討する
ソフトウェア開発における下流工程の検証のみを外部委託すると、基本設計に起因する欠陥が開発後期に発見され、膨大なコスト増につながる場合があります。経費節約のために、アウトソースする業務範囲を下流工程の検証に限定しているなら、計画の見直しを検討したほうがよいでしょう。
製品の要件定義や基本設計の段階からソフトウェアテスト会社に検証作業を委託しておけば、大幅なコスト増につながる欠陥を早期に発見することが可能です。早めに相談することをおすすめします。
ソフトウェアテストの利用に動き出そう
ソフトウェアテストを上手く活用するには、まず自社の課題を明確化することが肝要です。その上でどのような方法で検証支援を受けたいかを検討し、ニーズに合うサービスを選定しましょう。課題解決策を積極的に提案してくれるソフトウェアテスト会社が見つかれば、自社の強力な開発パートナーとなるはずです。以上を踏まえて、市場にどのようなソフトウェアテストがあるかチェックしてみてください。
ソフトウェアテスト 2選
1.SHIFT
(参照元:https://www.shiftinc.jp/service_corp/outline/)
サービス名 |
SHIFT |
キャッチフレーズ |
第三者検証、品質保証のプロ集団 |
サービス概要 |
私たちはソフトウェアテスト(第三者検証)のプロ集団です。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 300 社 (2021年04月07日時点) |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.オフショアテスト
(参照元:https://www.valtes.co.jp/solution/offshore.html#anchor01)
サービス名 |
オフショアテスト |
キャッチフレーズ |
世界水準の高品質なテストを低コストで実現 |
サービス概要 |
AV機器、OA機器からエンタープライズシステム、Webアプリ、スマホアプリまで幅広い製品のテストに対応します。テスト実施のみの案件から、テスト計画~サマリ提出のテスト、行程全般のご依頼まで、お客さまのご要望に合わせたテストフェーズを担当いたします。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・テスト対象 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |