オフィスや特定エリアへの入退室状況を管理できる「入退室管理システム(アクセスコントロール)」。昨今は多種多様な製品が提供されており、自社に合った製品を見極めるのが難しいという声も聞かれます。本記事では、入退室管理システムを検討する際の比較選定ポイントや導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的な入退室管理システムをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
入退室管理システムの比較方法・選び方
入退室管理システムを比較選定する際のポイント
入退室管理システムを選定する際にチェックしておきたいポイントは以下の4つです。
- 認証・解錠の方法
- 機器の設置方法
- 連携機能
- サポート体制
各項目を詳しく見ていきます。
■認証・解錠の方法
入退室管理システムの認証方法は製品によって異なるため、それぞれの特徴をふまえて選定する必要があります。
主な認証方法の特徴は以下の通りです。
【暗証番号】
専用端末に暗証番号を入力して解錠する方法。
- 物理的な鍵が不要
- 比較的導入が簡単で運用コストを抑えられる
- 入退室した個人を特定できない
- 暗証番号が流出するリスクがある
- 定期的な番号の変更が必要
【ICカード】
専用端末にICカードをかざして解錠する方法。
- 出入りが多いオフィスでも効率的に管理しやすい
- 社員証と一体化して活用することも可能
- 非接触での認証・解錠が可能
- ICカードを忘れた・紛失した場合に入室できない
- ICカードの紛失・盗難により部外者が侵入するリスクがある
【生体認証】
指紋、顔、虹彩、静脈など、人間の生体的な特徴を利用して認証・解錠する方法。
- なりすましなどの不正が起こりにくい
- 物理的な鍵や暗証番号などが不要
- 他の方法より導入コストが高額
- 生体情報の登録や初期設定に時間がかかる
【スマホアプリ(スマートロック)】
スマートフォンの専用アプリをダウンロードし、専用端末にかざして解錠する方法。
- 従業員のスマートフォンに設定できる
- 管理コスト・手間を抑えて導入できる
- 非接触での認証・解錠が可能
- 来客者にもスムーズに入退室権限の付与ができる
- スマホを持っていない人は使えない
製品によっては、複数を組み合わせてセキュリティレベルを高めたり、エリアごとに使い分けたりできるものもあります。
■機器の設置方法
解錠・施錠を制御する機器の設置方法には、既存のドアに後から取り付けるタイプと、鍵のシリンダー自体を交換するタイプがあります。
それぞれの特徴は以下です。
【後付けタイプ】
- 設置工事が不要で比較的簡単に取り付けられる
- 初期費用が安い
- 交換タイプより耐久性は劣る
【交換タイプ】
- 設置工事が必要
- 耐久性が高い
- 賃貸物件の場合は管理会社や家主の許可が必要
- 初期費用がかかる
オフィスの利用形態や設置数・予算をふまえて選びましょう。
■連携機能
入退室管理システムの中には、他のシステムと連携できるものもあります。連携可能なシステムの例は以下です。
- 勤怠管理システム
- 決済システム
- 監視カメラシステム
- セキュリティ管理システム
例えば、勤怠管理システムと連携できる製品であれば、日々の入退室データが勤怠管理システムに自動反映されるため、労務管理を効率化できます。
選定時は、連携させたいシステムに対応しているか確認しましょう。
■サポート体制
入退室管理システムは機器の設置作業や初期設定でつまずくことがあるため、ベンダーのサポート体制もよく確認しておきましょう。
主なチェック項目は以下です。
- 対応可能な時間・曜日
- サポート方法(電話、メール、オンラインなど)
- サポートの範囲(導入支援、運用支援、トラブル時の対応など)
- 自己学習コンテンツの充実度(FAQ、マニュアル、動画解説など)
オフィスの入退室管理はセキュリティ管理と直結するものなので、24時間365日対応してもらえるところが安心です。
課題・ニーズ別に見た入退室管理システムの向き・不向きの傾向
どのような入退室管理システムを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
特定のエリアで高いセキュリティレベルが求められる |
なりすまし等による不正侵入が起こりにくい生体認証対応のもの、二重認証などセキュリティレベルを高く設定できるものなどを検討すると良い |
入退室時に感染症が広がるリスクを抑えたい |
顔認証やICカードなど非接触型の入退室管理システムが良い。不特定多数とテンキーを共用する暗証番号型は避ける |
賃貸オフィスのドアを傷つけずに導入したい/近々オフィスを移転・レイアウト変更する |
既存のドアに簡単に設置できる後付けタイプの入退室管理システムが適している。移転・レイアウト変更の際も増設・撤去がしやすい |
従業員と共連れで入室する取引先や業者が多く、セキュリティ面で不安がある |
入室記録がない人物の退室認証を許可しないアンチパスバック機能がある製品がおすすめ |
入退室管理システムの導入時に注意すべき点
入退室管理システムを導入する際は、以下の2点に留意しましょう。
■従業員への周知/運用ルールの設定
入退室管理システムをスムーズに運用するは、従業員の理解・協力が欠かせません。導入目的や入退室方法のほか、入退室データを記録・活用することもしっかりと説明し、理解を促すようにしてください。また、エリアや部屋によって運用方法が異なる場合は、あらかじめ運用ルールを定めて周知しましょう。
■インターネット環境が必要
入退室管理システムによっては、解錠やアプリ起動などでインターネット環境を必要とするものがあります。通信環境が不安定な場合は、ネット環境を整備するか、Bluetooth接続に対応した製品を検討しましょう。
最適な入退室管理システムを見極めよう
入退室管理システムには様々な認証方法があるため、まずは求めるセキュリティレベルや予算に合っているものを比較検討してください。次いで設置方法や連携機能、サポート体制をチェックして、最適な製品を見極めましょう。
入退室管理システム 2選
1.Akerun
(参照元:https://akerun.com/)
サービス名 |
Akerun |
キャッチフレーズ |
キーレスが実現する、新しいセキュリティ。 |
サービス概要 |
リモートワーク時代のスマートロック型入退室管理システム。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・スマートフォンアプリ |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.ALLIGATE 入退室管理
(参照元:https://alligate.me/)
サービス名 |
ALLIGATE 入退室管理 |
キャッチフレーズ |
初期費用0円、月額3,000円から導入可能。 |
サービス概要 |
≪出入管理専業メーカーによるクラウド対応の入退室管理システム≫ |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・入退室履歴(ログ) |
価格 |
・アリゲイトシリンダーロック:月額費用 3,000円 / 月 |
運営企業 |
|
サービス詳細 |