システムにセキュリティ上の欠陥や問題点がないかを診断できる「脆弱性診断ツール」。サイバー攻撃のリスクが高まる脆弱性を自動検知し、情報セキュリティ対策の効率化・コスト削減につながります。本記事では、脆弱性診断ツールで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
脆弱性診断ツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
脆弱性診断ツール 7選|比較・選定ポイントとおすすめ「セキュリティ診断」の特徴
脆弱性診断ツールとは
脆弱性診断ツールとは、ネットワークやOS、Webアプリケーションなどに情報セキュリティ上の欠陥(セキュリティホール)がないかを診断するツールのことです。
脆弱性は、設計・開発の際の欠陥や不備、サーバーの設定ミスなどが原因となり発生するもので、放置していると不正アクセスやマルウェア感染などのサイバー攻撃を受けやすくなってしまいます。
脆弱性診断ツールでは、攻撃対象となり得るセキュリティホールを自動検知することができ、情報漏えいやデータ改ざんなどのリスクを回避することが可能です。
脆弱性診断ツールで実現できること
脆弱性診断ツールによって実現できることは、以下の2つです。
プラットフォームやアプリケーションの脆弱性を診断
サイバー攻撃を未然に防ぐには、まずシステム構成のどこに脆弱性があるのかを突き止める必要があります。脆弱性診断ツールの診断対象には以下のものがあり、システムのプラットフォームやアプリケーションを巡回し、情報セキュリティ上の問題がないかをチェックします。(ただし、診断範囲は製品によって異なります)
- OS
- ミドルウェア
- ネットワーク機器
- Webサイト・Webアプリケーション
- スマホアプリ
幅広い脆弱性を自動検出
脆弱性診断ツールを用いれば、様々な種類の脆弱性を自動的に検出することができます。検出可能な脆弱性には、以下のものがあります。
- SQLインジェクション
- クロスサイト・スクリプティング
- コマンドインジェクション
- バッファオーバーフロー
- DNS情報の設定の不備
- ファイルの誤った公開
- 強制ブラウジング
脆弱性診断ツールの導入で得られる効果・メリット
脆弱性診断ツールの導入により、次の3つの効果・メリットが期待できます。
セキュリティリスクの低減・対策の最適化
システム上の欠陥や脆弱性の有無を判別できない状態は、サイバー攻撃の危険性に常にさらされているようなものです。脆弱性診断ツールでは、外部からは把握しづらい様々な脆弱性をいち早く発見して適切な対策を講じることができ、サイバー攻撃を未然に防ぐことができます。
セキュリティ対策の工数削減・簡便化
脆弱性診断はセキュリティ対策の専門家が手動で行う方法もありますが、依頼から診断結果が出るまで一定の期間を要します。脆弱性診断ツールは、対象システムに接続するだけで脆弱性を自動検知できるため、セキュリティ対策の工数削減につながります。
また、セキュリティ対策の専門知識・ノウハウがない人でも簡単に脆弱性をチェックできる点も大きなメリットです。
セキュリティ対策のコスト削減
どこに脆弱性があるかが不明なまま、やみくもにシステム改修やセキュリティ対策を施すと、無駄なコストがかかる可能性があります。脆弱性診断ツールを用いれば、診断結果に基づいて対策の優先順位をつけることができるため、コストを最小限に抑えることが可能です。
脆弱性診断ツールの機能一覧
脆弱性診断ツールの主な機能を以下にまとめました。
機能 |
内容 |
---|---|
巡回・情報収集 |
診断対象のシステムを巡回し、診断に必要な情報を収集する |
プラットフォーム診断 |
OSやミドルウェア、ネットワーク機器の脆弱性の有無を検査する。 <主な診断項目> ●アクセス制御設定 ●ネットワーク機器の設定 ●ポートの接続状況 ●パケットフィルタリングの設定 |
アプリケーション診断 |
Webサイトやアプリケーションの脆弱性の有無を検査する <主な診断項目> ●ユーザー認証 ●暗号化の方式 ●通信経路 |
診断結果レポート |
●診断結果のサマリレポート ●脆弱性の改善に必要な技術情報 ●脆弱性のチェックリスト |
どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。
脆弱性診断ツールでセキュリティ対策を最適化
脆弱性診断ツールを導入すれば、システムのプラットフォームやアプリケーションに潜む脆弱性を自動検知できるため、効率的にセキュリティ対策を強化できます。脆弱箇所を把握することで対策の優先順位が明確になるため、セキュリティコストの削減効果も期待できます。
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