システムやWebサービスの認証情報を一元管理できる「アカウント管理アプリ」。運用する業務ツールの増加に伴って煩雑化するID管理を効率化し、セキュリティ向上にもつながります。本記事では、アカウント管理アプリで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。

アカウント管理アプリの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

アカウント管理アプリ 7選|比較・選定ポイントとおすすめ「ID管理アプリ」の特徴

アカウント管理アプリとは

アカウント管理アプリとは

 

アカウント管理アプリ(ID管理システム)とは、システムやWebサービスにログインする際のID・パスワードなどのユーザー情報を一括管理するツールです。

 

業務のデジタル化が進む昨今、多くの企業が様々なシステム・ツールを導入するようになりました。それに伴って社内で管理すべきアカウント情報は膨れ上がっており、ExcelなどでのID管理では業務の煩雑化やセキュリティリスクの増加が懸念されます。

 

アカウント管理アプリには、ユーザー情報や管理者情報を効率的かつ安全に統合管理する機能が備わっており、導入する企業が増えています。

アカウント管理アプリで実現できること

アカウント管理アプリで実現できること

 

アカウント管理アプリによって実現できることは、以下の4つです。

ユーザー情報の一元管理・同期

アカウント管理アプリでは、各種システムのユーザー認証情報を一元管理できます。従業員の異動・退職などに伴って必要となるID・パスワードの更新作業をアプリ上で完結でき、連携するシステムやWebサービスに自動反映されます。

 

  • ユーザーID管理
  • プロビジョニング機能

特権IDの管理

システム管理者は一般ユーザーにはない特別な権限をもつため、多くのアカウント管理アプリでは特権IDの管理を強化しています。システムごとの利用履歴の取得や申請・承認などを行うことで、特権IDの運用状況を管理します。

 

  • 操作ログの取得
  • ワークフロー管理
  • 定期的なパスワード変更

多要素認証による認証強化

不正ログインなどのリスクを低下させるために、ID・パスワード認証以外の認証要素を追加できる製品もあります。

 

  • ワンタイムパスワード
  • 生体認証(顔認証・指紋認証など)
  • SMS認証

一つの認証情報で複数のサービスに自動ログイン

複数のWebサービスを利用している場合、通常はサービスごとに認証情報を入力する必要があります。アカウント管理アプリにはシングルサインオン(SSO)機能が備わっており、1つのID・パスワードで複数のサービスに自動的にログインできるようになります。

 

  • シングルサインオン

アカウント管理アプリの導入で得られる効果・メリット

アカウント管理アプリの導入で得られる効果・メリット

 

アカウント管理アプリを導入すると、以下の3つの効果・メリットが期待できます。

ID管理の工数削減

複数のシステム・Webサービスを使用している場合、従業員の入社・退職や組織改編のたびにすべての認証情報の更新作業を行わなければならず、多くの手間・時間を要します。アカウント管理アプリでは、さまざまなID情報を一元管理できるうえ、連携するシステムに自動反映されるため管理工数を削減できます。

セキュリティリスクの低減

システムごとにID管理を行っていると、ID情報の変更・削除漏れなどの人為的なミスが起こりやすく、パスワードの使い回しによるセキュリティリスクも懸念されます。
アカウント管理アプリでは、個別管理に伴うミスやリスクを軽減できるうえ、多要素認証によってセキュリティレベルを向上できます。

内部統制の強化

使用するWebサービス等が増えると、特別な権限をもつ管理者のID(特権ID)も多くなるため適切な管理が求められます。アカウント管理アプリでは、特権IDの利用状況・操作状況をモニタリングすることで内部統制を強化できます。

アカウント管理アプリの機能一覧

アカウント管理アプリの機能一覧

 

アカウント管理アプリの主な機能を以下にまとめました。

 

機能

内容

ユーザーID管理

社内システムやWebサービス等のユーザー情報やID・パスワードを一元的に管理する

特権ID管理

特別な操作権限・情報閲覧権をもつ管理者アカウントを統合管理する。機能例には以下のものがある

●操作ログの取得

●ワークフロー管理

●定期的なパスワード変更

プロビジョニング機能

IDの追加・変更・削除があった場合に連携するシステムに自動反映される

シングルサインオン(SSO)

一つの認証情報(ID・パスワード)で複数のアプリケーションやWebサービスに自動ログインできる

認証強化・多要素認証

ログイン時に複数の要素を組み合わせる「多要素認証」で認証を強化する。具体的には以下のものがある

●ワンタイムパスワード

●生体認証(顔認証・指紋認証など)

●SMS認証

 

ただし、どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。

煩雑なID管理をアカウント管理アプリで効率化

自社で運用している業務システムやWebサービスの認証情報をアカウント管理アプリで一元管理すれば、煩雑になりがちなID管理業務を効率化できます。また、個別管理に伴う人為的なミスやセキュリティリスクを低減し、内部統制を強化することも可能です。

 

アカウント管理アプリの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

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