大量の文章データから有益な情報を抽出するテキストマイニングツール(テキストマイニングソフトウェア)。ビッグデータ解析にも活用できるテキストマイニングツールは需要が高まっており、様々な製品が提供されています。本記事では、テキストマイニングツールを比較選定するポイントや導入時の注意点について解説します。
また、導入実績の多い代表的なテキストマイニングツールをご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
テキストマイニングツールの比較方法・選び方
テキストマイニングツールを比較選定する際のポイント
テキストマイニングツールを選定する際、特にチェックしておきたいのは以下の4つのポイントです。
- 機能
- 操作性・視認性
- 料金
- サポート体制
各項目を詳しく見ていきます。
■機能
テキストマイニングツールでは様々な切り口で文章データを分析できますが、搭載されている分析機能は製品によって異なります。
テキストマイニングツールの主な分析機能には、以下のものがあります。
頻度分析 |
出現頻度の多い単語を抽出する |
時系列分析 |
出現数を日別・週別など時系列で分析する |
センチメント解析(ポジネガ分析) |
文章内の言葉から、商品に対する顧客や消費者の感情・気持ちを分析する。一般的には「ポジティブ/中立/ネガティブ」の3パターンに分類する |
主成分分析 |
大量のテキストデータを解析しやすくするために、低頻度の単語や関連性が低い単語を除外し、主軸となる単語や方向性を抽出する |
共起分析 |
同時に出現しやすい複数の単語をセットで抽出する |
対応分析(コレスポンデンス分析) |
クロス集計後のデータやローデータを、散布図を用いて視覚的に分析する |
また、ツールによってはSNSの分析機能を強化したものや、表記ゆれや同義語、不要な単語などを登録できる辞書機能を備えたものもあります。
自社の目的に合った分析機能やサポート機能が備わっているものを選定しましょう。
■操作性・視認性
テキストマイニングツールで有益なデータを得るためには、様々な分析機能を駆使する必要があります。インターフェースがわかりにくいとスピーディに分析できない可能性があるため、選定時は操作性や画面の見やすさについてチェックしておくことが大切です。
製品によっては無料トライアルやデモ版が利用できるため、導入前に操作性を確認しておくと良いでしょう。
■料金
多くのテキストマイニングツールは月額制で、料金相場は月10万~となっています。ユーザー数や機能で料金プランが分かれているものや、初期費用が別途必要なものもあるため、自社の用途や予算に応じて選定してください。
ホームページで料金体系を公開していない場合は、問い合わせをして料金体系や全体の費用感をチェックしておきましょう。
■サポート体制
テキストマイニングツールではデータ分類・抽出を自動化できますが、分析方法によっては手作業による調整や工夫が必要な場合もあります。また、初期設定や解析結果の解釈方法がわからないといったケースも見受けられるため、選定時はベンダーのサポート体制についても確認しておくと安心です。
課題別に見たテキストマイニングツールの向き・不向きの傾向
どのようなテキストマイニングツールを選ぶべきかは、自社の課題によっても変わってきます。以下に課題・ニーズ別の向き・不向きの傾向をまとめました。
課題・ニーズ |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
SNSの投稿データをマーケティングに活用したい |
SNSのデータマイニングに対応したツールであれば、TwitterやInstagramなど特定のSNSの投稿データを収集・分析できる。ただし、どのSNSに対応しているかはツールによって異なる |
分析対象の単語は複数の表記方法が想定されるため、正確なデータ取得・分析ができるか心配 |
辞書機能が搭載されているテキストマイニングツールであれば、ひらがな・カタカナなど複数の表記方法や表記ゆれ、類義語も関連付けておくことができ、より精度の高い解析が可能 |
自社でテキストマイニングツールを使いこなせるか心配/運用方法がイメージできない |
導入時・運用時に適切なサポートやコンサルティングが受けられる製品や、導入前に無料トライアルやデモ版が利用できる製品が適している |
予算が少なく、ツール導入にコストをかけられない |
最低限の機能が搭載された、無料のテキストマイニングツールを選択肢に加える |
テキストマイニングツールの導入時に注意すべき点
テキストマイニングツールを導入する際は、以下の2点に留意しましょう。
■データマイニングの目的を明確化する
テキストマイニングツールをビジネスに活用するには、「何のために・どのようなデータを取得するのか」といった目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧なまま、やみくもに分析をしてしまうと、誤った解釈・判断につながる可能性もあるので注意しましょう。
■運用方針を決めておく
テキストマイニングツールでは、文章データを構造化して出現頻度や単語同士の相関などを可視化することができます。しかし、抽出されたデータをどう解釈し、どのように活用するかはユーザー次第なので、ツールの運用が属人化する可能性があります。データ解釈が恣意的にならないよう、大まかなルールや運用方針を決めておくと良いでしょう。
最適なテキストマイニングツールを選定しよう
テキストマイニングツールを選定する際は、まず分析の目的を明確化し、用途に合った機能が備わっているかチェックしましょう。そのうえで、ユーザビリティや料金体系、サポート体制を比較検討すれば、自社にとって最適なツールを見極めやすくなります。
テキストマイニングツール 5選
1.TextVoice
(参照元:https://www.textvoice.jp/info/)
サービス名 |
TextVoice |
キャッチフレーズ |
簡単に分析ができるテキストマイニングツール |
サービス概要 |
辞書の自動作成を実現したことで、その日から簡単操作で使えるテキストマイニングツール。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・Word Cloud ワードクラウド |
価格 |
・テキストボイス 100,000円 / アカウント |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
2.見える化エンジン
(参照元:https://www.mieruka-engine.com/)
サービス名 |
見える化エンジン |
キャッチフレーズ |
顧客体験フィードバック |
サービス概要 |
見える化エンジンは企業と顧客のギャップ把握で顧客体験を推定し、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 1600 社 (2021年03月03日時点) |
機能一覧 |
・収集 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
3.アイタス
(参照元:https://itas-cloud.com/)
サービス名 |
アイタス |
キャッチフレーズ |
“今ある課題”の解決に「ITAS」の力を |
サービス概要 |
【ITAS(アイタス)の特長】 |
向いてる形態 |
BtoC |
機能一覧 |
・意見タグAI |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
|
サービス詳細 |
4.VextMiner
(参照元:https://www.mind.co.jp/service/idc_platform/platform_products/textmining.html)
サービス名 |
VextMiner |
キャッチフレーズ |
クラウド・プラットフォーム |
サービス概要 |
アンケートの自由記述からAIの知識ベース構築にも活用される大量のテキスト情報は、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・自動学習機能 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
5.Text Mining Studio
(参照元:https://www.msi.co.jp/tmstudio/index.html)
サービス名 |
Text Mining Studio |
キャッチフレーズ |
テキストマイニングツール |
サービス概要 |
テキストマイニングの第一歩である頻度の分析から、テキストに付随する属性を活かした特徴分析、話題分析など豊富な分析機能を備え、さらにその結果をグラフィカルな表示で表現することができます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・Text Mining Studio機能 |
運営企業 |
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サービス詳細 |