帳票の作成、配付、管理を効率化できる電子帳票システム(帳票電子化)。業務コストの削減や生産性向上のほか、テレワークの推進にも役立つシステムです。ただし、業務全体に影響のあるシステムであるだけに、入念なサービス比較と選定を行い、計画的に導入を進める必要があります。ここでは、電子帳票システムの比較選定ポイントと、導入時の注意点を解説します。
また、導入実績の多い代表的な電子帳票システム(帳票電子化)をご紹介します。自社の課題や目的に照らし、適切なサービスを見つけてください。
電子帳票システムの比較方法・選び方
電子帳票システムを比較選定する際のポイント
電子帳票システムを選ぶ際のポイントを以下に整理しました。
■導入目的に沿ったタイプを選ぶ
電子帳票システムで効率化できる業務は帳票の作成、送信、管理の3つですが、1つのシステムでこれら業務のすべてをカバーできるとは限りません。多くのシステムでは、3つの業務シーンのいずれかに特化して強みを持っているケースが多くなっています。したがって、まずは自社がどの範囲の業務を効率化したいのかを明確にしたうえで、ニーズに合うシステムを探す必要があります。
たとえば、帳票作成の効率化をサービス導入目的とするなら、帳票作成機能に特化した電子帳票システムが適していますが、複数の業務を効率化したい場合や他部門との連携をスムーズにしたい場合などでは、ニーズを満たすシステムは変わってきます。電子帳票システムはそれぞれに強みが異なるため、導入目的によっては複数のシステムを組み合わせることを検討したほうがよいケースもあります。
■各種機能を比較する
電子帳票システムの選定において、とくに重要となるのが機能の比較です。
帳票作成機能の比較では、レイアウト作成の自由度を重点的にチェックしましょう。現在使用中の帳票フォーマットを再現する必要があるなら、対応するものを選ぶ必要があります。このほか、連携できる外部システムの種類や、インポートできるファイル形式の種類も確認しておきましょう。自社の基幹業務システムと連携することで、より業務効率を高めることができます。
帳票送信機能の比較では、まず送信方法を確認しましょう。基本機能としてメールでの送信は備わっていますが、このほかFAX送信ができるものや、郵送代行に対応しているサービスもあります。メールでの送信がNGの取引先が混在する場合に便利なサービスです。また、メールでの帳票送信の方法は、添付ファイルでの送信のほかに、帳票閲覧ページURLの送信を選べると便利です。URLを送信する方法であれば、誤送信してしまった場合に閲覧ページを取り消すことができます。
帳票保管機能の比較では、ファイルの検索機能や、保管期限の切れたファイルを自動廃棄する機能、閲覧権限の設定機能などをチェックしましょう。帳票の管理を自動化でき、かつセキュリティ性に優れるシステムを選ぶことをおすすめします。
■サポート体制を比較する
電子帳票システムの導入後に、ベンダーによるサポートが必要になるケースは少なくありません。不明点やトラブルの発生、取引先からの問い合わせなどに速やかに対応できるよう、サポート体制が充実した電子帳票システムを選んでおくと安心です。
サポート体制を比較する際は、サポート方法(チャット、メール、電話など)や対応時間、保守サービスの内容などをチェックしてください。自力での問題解決に役立つ、ユーザーサポートサイトが用意されているかどうかも確認しましょう。
サポートの充実度は、テレワークのしやすさにも影響します。社員がどこにいても安心して帳票関連業務を進められるように、サポート体制を用意している電子帳票システムを選定するとよいでしょう。
■電子帳簿保存法に対応しているか
帳票を電子データで保管したい場合、「電子帳簿保存法」に対応する電子帳票システムを導入する必要があります。電子帳簿保存法の要件を満たすには、帳票の真実性の確保、帳簿や書類間の関連性の確保、検索機能の確保など、多数の要件をクリアしなければなりません。
近年は大幅に緩和されているものの、電子帳簿保存法は複雑であり、適合する電子帳票システムを自力で見つけるのは困難です。そこで指標として役立つのが、「JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)」の認定マークです。JIIMAの「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得している電子帳票システムであれば、電子帳簿保存法に適合しているシステムとして安心して導入できます。
もちろんJIIMAの認証マークは、電子帳簿保存法の承認を得るための必須条件ではありません。導入候補とする電子帳票システムを絞り込んだら、ベンダーに電子帳簿保存法への適合について問い合わせてみるとよいでしょう。専任の税務コンサルタントやアドバイザーによるシステム導入サポートを受けられるかどうかも、問い合わせの際に確認してみてください。
課題・ニーズから見た電子帳票システムの向き・不向きの傾向
電子帳票システムの選定は、自社の課題を踏まえて行うことが肝要です。次の表を参考にして、自社に適するシステムのタイプを検討してください。
課題 |
向き・不向きの傾向 |
---|---|
帳票に関する内部統制を強化したい |
●課題に向くシステム ・課題に向くシステム ・帳票の閲覧権限や編集権限などを細かく設定できるシステム(権限設定によりセキュリティ性を高められるシステム) ・利用できる曜日や時刻を設定できるシステム |
●不向きなシステム ・管理者向け機能に乏しいシステム |
|
経理をテレワーク化したい |
●課題に向くシステム ・ワークフローシステムや基幹業務システムと連携できるシステム(外部システムと組み合わせて帳票の承認や作成、送信などを完全オンライン化できるシステム) |
●不向きなシステム ・セキュリティ機能に乏しいシステム |
|
なるべくスピーディに帳票電子化を実現したい / 急いで電子帳簿保存法に対応したい |
●課題に向くシステム ・JIIMAの認証を受けているシステム(法要件の適合チェックを省略できる) ・電子帳簿保存法に詳しい税務コンサルタントのアドバイスを受けられるシステム |
●不向きなシステム ・帳票作成や送信に特化したシステム(帳票保管機能のないシステム) ・導入アドバイスを含むサポート体制が不十分なシステム |
|
FAXによる帳票送信を必要とする取引先が多い |
●課題に向くシステム ・FAX送信のキャパシティが大きいシステム(FAX回線数の多いサービス) ・不達時の再送信処理や帳票からのFAX番号取得など、FAX関連サービスが充実しているシステム |
導入時に注意すべき点
電子帳票システムを導入する際は、以下の点に注意しましょう。
■綿密な導入スケジュールを立てる
電子帳票システムの導入は、綿密なスケジュールを立てたうえで進めましょう。帳票の電子化は自社の文化を変える施策であり、自社の社員だけでなく取引先へも影響を与えます。自社の一大改革と捉えて、慎重に導入を進めてください。
電子帳票システムの導入に必要な準備は、電子保存する書類の選定や電子化の体制構築、社内規定や業務フローの策定などです。このほか、取引先に対しての通知も必要です。また、電子帳簿保存法の承認も取得するならば、申請書や添付書類の作成および提出も必要となります。
多数の準備が必要となるため、電子帳票システムの導入には少なくとも6ヵ月、長ければ1年程度の期間がかかることがあります。余裕のあるスケジュールを立てて、システム導入を成功させましょう。
■経費削減効果を試算する
電子帳票システムの導入前に行いたいのが、システム導入による経費削減効果の試算です。システム導入の前後で、帳票に関連するコストがどの程度変わるのかを確認してください。
まず、システム導入により削減できるコスト(帳票の印刷代や保管費用、郵送費、FAX送信費など)を概算しましょう。次に、試算結果から電子帳票システムの導入コストとランニングコストを差し引きして、経費削減効果を検証します。
中小企業においては、特に上記の試算を入念に行ってください。限られたリソースを無駄にしないために、十分なコスト削減ができると判断した上で、電子帳票システムの導入に踏み切りましょう。
電子帳票システムの導入に動き出そう
電子帳票システムを導入する際は、まず自社に必要なシステムのタイプを検討する必要があります。システム選定では、機能やサポート体制の比較、電子帳簿保存法への適合のチェックなどを行ってください。導入するシステムを決めたら、利用開始までの綿密なスケジュールを立てたうえで、帳票関連業務の電子化やテレワーク化を進めましょう。以上を踏まえて、具体的なシステム選定へ進んでください。
電子帳票システム 14選
1.ツクルデ
(参照元:https://tsukurude.jp/)
サービス名 |
ツクルデ |
キャッチフレーズ |
食の信頼をブランド化する |
サービス概要 |
衛生記録、製造日報をアプリで記録することができます |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入企業の傾向 |
食品製造工場をもつ企業・セントラルキッチンを持つ食品製造企業 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
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サービス資料 |
2.LinkPrint CLOUD
(参照元:https://www.printform.jp/linkprintcloud/)
サービス名 |
LinkPrint CLOUD |
キャッチフレーズ |
インストール不要なクラウド帳票ツール |
サービス概要 |
「LinkPrint CLOUD」は、20年20万社を超える帳票ソリューション導入実績を持つTBの帳票クラウドサービスです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・フォーム振り分け機能 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
3.OZ e-Form
(参照元:https://www.forcs.com/jp/products/oz-e-form/)
サービス名 |
OZ e-Form |
キャッチフレーズ |
電子帳票ソリューション e-Form |
サービス概要 |
OZ e-Formはペーパーレス化の実現する電子帳票開発ソリューションです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・電子帳票の作成 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
4.イープロモ(ePromo)
(参照元:https://www.ctc-g.co.jp/solutions/ePromo/?menu=1#detail-top)
サービス名 |
イープロモ(ePromo) |
キャッチフレーズ |
緑のIT、作ります。 |
サービス概要 |
ePromoは、企業とお客様の関係をさらに親密にする、まったく新しいプロモーションのシステムです。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・パソコン、ケータイ、郵送、選べる「メディア・オンデマンド」 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
5.Contents Expert/ Digital Document
(参照元:https://www.nri-secure.co.jp/service/solution/contentsexpert_digitalform)
サービス名 |
Contents Expert/ Digital Document |
キャッチフレーズ |
帳票管理ソリューション |
サービス概要 |
様々な帳票を効率的に電子文書化し、ペーパーレス化の促進により大幅なコスト削減を実現 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
運営企業 |
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サービス詳細 |
6.快速サーチャーGX
(参照元:https://www.intec.co.jp/service/detail/searcher_gx/)
サービス名 |
快速サーチャーGX |
キャッチフレーズ |
帳票管理を変える! 電子帳票システム |
サービス概要 |
大量に出力される多種多様な帳票を一元管理し、Webブラウザで閲覧することができる『快速サーチャーGX』。クライアントプログラムを必要としないため、全社展開、社外公開を容易かつ強力に推進できる電子帳票システム。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・帳票の取込み |
運営企業 |
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サービス詳細 |
7.OPROARTS
(参照元:https://oproarts.opro.net/)
サービス名 |
OPROARTS |
キャッチフレーズ |
紙業務のデジタル化をするためのクラウド帳票サービス |
サービス概要 |
20年以上に渡り進化し続けてきた独自の帳票エンジン「oproarts」 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・出力形式 |
価格 |
・Starterプラン 30,000円 / 月額費用 |
運営企業 |
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サービス詳細 |
8.biz-Stream
(参照元:https://www.brainsellers.com/product/bizstream/)
サービス名 |
biz-Stream |
キャッチフレーズ |
リアルタイムなデータも瞬時に帳票へ。 |
サービス概要 |
biz-Streamは、日々リアルタイムに変動するデータから、多彩な形式のドキュメントへ瞬時に出力ができます。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・リアルタイムな出力ニーズに対応 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
9.快速サーチャーⅢ
(参照元:https://www.intec.co.jp/service/detail/searcher_three/)
サービス名 |
快速サーチャーⅢ |
キャッチフレーズ |
帳票データの電子化によりペーパーレス化を実現 |
サービス概要 |
電子帳票ソリューション「快速サーチャーⅢ」はホストコンピュータやオープン系サーバ機のプリントデータをWindows環境に取り込み、帳票データを紙で出力するかわりにそのまま電子データでCD-Rやハードディスクに保存することが可能です。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 1000 社 (2021年04月06日時点) |
機能一覧 |
・主な機能 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
10.FiBridgeⅡ
(参照元:https://www.ait-solution.jp/electronic_form/fibridge2/)
サービス名 |
FiBridgeⅡ |
キャッチフレーズ |
電子帳票パッケージ企業シェアNo.1 |
サービス概要 |
社内のあらゆる帳票を電子化・保存。FiBridgeⅡは全社利用の場合でも高いパフォーマンスを発揮します。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・豊富な電子帳票機能 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
11.i-Reporter
(参照元:https://i-reporter.jp/)
サービス名 |
i-Reporter |
キャッチフレーズ |
ペーパーレス『現場帳票』記録・報告・閲覧 |
サービス概要 |
【特長】 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 2396 社 (2021年04月07日時点) |
機能一覧 |
・記入、撮影、報告をタブレットひとつで |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
12.UT/400Family
(参照元:https://www.istechnoport.com/product-service/prod-form-output/ut-400/)
サービス名 |
UT/400Family |
キャッチフレーズ |
基幹系帳票・アウトプットの最適化と多目的利用を実現 |
サービス概要 |
目的に応じた機能を組み合わせる事で、企業におけるアウトプット業務をトータル的に支援します。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
13.電⼦帳票サービス
(参照元:https://www.jim.co.jp/service/e-form/index.html)
サービス名 |
電⼦帳票サービス |
キャッチフレーズ |
ホストコンピューターのデータをパソコンで活用! |
サービス概要 |
ジェイ・アイ・エムでは、1991年に電子帳票システムを販売開始。その草分けの存在として長年にわたり、帳簿書類の電子保存について取り組んでまいりました。電子帳票関連サービスを展開して20年、帳票管理におけるさまざまな「困った」を解決しています。 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
機能一覧 |
・帳票の変換・登録機能 |
価格 |
・価格はお問合せください |
運営企業 |
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サービス詳細 |
14.SVF Cloud
(参照元:https://www.wingarc.com/product/svfc/index.html)
サービス名 |
SVF Cloud |
キャッチフレーズ |
選ばれ続ける帳票クラウドサービス |
サービス概要 |
帳票設計ツールSVF Cloud DesignerとPDF・Excel・Java Print・Label SUITE相当の実行部、 |
向いてる形態 |
BtoB/BtoC |
導入社数 |
約 26021 社 (2021年02月26日時点) |
機能一覧 |
・帳票レイアウトツール |
価格 |
・プランS 30,000円 / 月 |
運営企業 |
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サービス詳細 |