ランディングページの解析・改善に役立つLPOツール。ユーザーが最初に目にするランディングページは、次のアクションにつながる構成・デザインにすることが肝要です。記事では、LPOツールで実現できることや導入する利点・効果、主な機能について解説します。
LPOツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
LPOツール 2選|比較・選定ポイントとおすすめ「LPO対策サービス」の特徴や活用事例
LPOツールとは
検索エンジンやインターネット広告をクリックしたユーザーが、最初に目にするページをランディングページ(LP)といいます。LPOはLanding Page Optimizationの略語で、「ランディングページ最適化」という意味です。ランディングページ(LP)を改善し、CVR(コンバージョン率)を高めるための施策全般を指します。
WebサイトやECサイトの最終的な目的は商品購入・申込みなどのコンバージョン(成約)です。しかし、ランディングページがユーザーの目的に合っておらず、ニーズを満たせない内容では、直帰や早期離脱を招いてしまいます。仮に多くのユーザーを集客できたとしても、ランディングページでユーザーが離れてしまえば、CVRの向上はかないません。
ランディングページの最適化をスピーディーかつ効果的に行い、コンバージョン率の向上に役立つのがLPOツールです。ユーザーを満足させるコンテンツを構築するためのマーケティング施策として、重要な位置づけになっています。
LPOツールで実現できること
LPOの基本は、訪問したユーザーごとに最適な情報を届け、コンバージョン率を高めることです。LPOツールを活用することで、以下のことを実現できます。
各種分析により最適なLP作成を実現
LPOツールの代表的な機能として、ABテストがあります。ABテストとは、文言やデザイン、レイアウトなどの要素を変えた2パターンを準備し、どちらがより効果的かを検証するテストのこと。複数の要素を組み合わせたパターンを用意し、どちらが効果的かを探る多変量テストができるものもあります。
人の手でABテストを実施しようとすると、膨大な手間がかかったりコーディングのスキルが必要になったりします。LPOツールを活用することで、効率的に最適なLP作成を可能にします。また、ユーザーの行動を視覚的に確認できるヒートマップ分析やアクセス解析の機能を備えたもの、これらのツールと連携できるものなども提供されています。
ユーザーのニーズに合わせてLPを自動振り分け
ランディングページへの流入元は、検索エンジンやリスティング広告、DSP広告など多岐にわたります。そのため、ユーザーがWebサイトを訪問する目的は流入経路によって異なるケースが多くなります。
訪問目的・背景が異なれば、同じランディングページを見たときに魅力的だと感じる人とそうでない人に分かれるのは自然なことです。LPOツールは、流入元やユーザー属性などに応じてユーザーを分類し、そのうえで適したランディングページを配信できます。
ユーザーのニーズに合ったコンテンツを提供できれば、次のユーザーアクションを喚起しやすくなります。
LPOツールの導入で得られる効果
直帰率低下・CVR向上
LPOツールに期待できる重要な効果は、直帰率・離脱率の低下やコンバージョン率の向上です。ユーザーは何らかの目的があってランディングページを訪問しますが、内容が期待外れだとすぐに直帰されてしまいます。滞在時間が短ければ、商品・サービスへの理解を促進できないうえ、他ページに誘導させることもできません。
LPOツールで情報の出し方・デザイン・動線を改善することで、ユーザーへの訴求力が上がり、結果としてサイト内の滞在時間や回遊率が高まります。ターゲットごとに最適化したランディングページを表示できれば、資料請求や商品購入などのCVR改善が期待できます。
マーケティング業務の効率化
LPOツールはマーケティング業務の工数削減に役立ちます。LPOは手作業で行うこともできますが、現状のページ分析やユーザー分析、テスト用のLP制作、テスト実施・効果検証をすべて自前でこなすのは大変な労力です。その点、LPOツールがあれば一連の作業を効率化でき、戦略立案などのコア業務に注力できます。
LP制作コストの削減
ランディングページをユーザーのニーズに合わせて一から制作するには手間もコストもかかります。LPOツールを導入すれば、1つのランディングページ内で変更したい箇所だけを差し替えることが可能になるため、低コストで効果的に改善できます。
PDCAの高速化
Webマーケティングの効果を高めるには、適切かつスピーディーにPDCAを回すことが大切です。LPOの重要性を理解していても、実行手段が不適切だと課題に対してスムーズに対処できず、効果を実感するまでにかなりの時間を要することがあります。
LPOに特化したツールを用いれば、ランディングページの現状分析から改善、評価までの一連の作業を効率的に行えるので、PDCAの高速化につながります。
LPOツールの機能一覧
LPOツールの主な機能を以下にまとめました。
機能 |
内容 |
---|---|
現状分析 |
LPのアクセス・流入状況やユーザー属性、行動パターンなどの現状を分析する |
ターゲティング |
行動履歴や属性などでユーザーをセグメント化し、適したコンテンツを自動配信する。検索キーワード、流入元の広告、訪問回数、購入履歴、居住エリア、時間帯などさまざまな切り口でターゲットの分類が可能 |
LP制作/クリエイティブ編集 |
分析結果に基づいてLPに変更を加え、変更前後の効果を比較する。制作・編集の自由度はツールによって異なり、HTML編集が可能などカスタマイズ性が高いものもある |
LP配信割合の自動最適化 |
広告からの遷移先となるLPを複数用意し、より効果が高いLPの配信割合を自動的に高めてくれる |
ABテスト |
Aパターン、Bパターンと異なるLPを2種類用意し、ユーザーに出し分けることで効果を比較する。1つの要素ごとに検証するのが基本 |
多変量テスト |
LP内にテストしたい箇所が複数ある場合に用いる手法。例えばキャッチコピーの候補が3つ、登録フォームボタンの位置の候補が2つある場合、各要素を組み合わせて6パターンのLPをテストできる |
関連アイテム自動配信 |
キーワード検索から商品詳細ページに流入したユーザーに対し、キーワードに関連する商品を自動配信する |
外部ツールとの連携 |
GoogleアナリティクスやDMPデータなどの外部ツールとの連携・分析ができる |
これらは、LPOツールで提供されている主な機能をピックアップしたものです。どの機能が搭載されているかはツールによって異なるため、事前によく確認しておきましょう。
ユーザーを満足させるLPO施策を
LPOツールを活用すれば、Webサイトの「入口」であるランディングページを最適化でき、ユーザーの行動を促しやすくなります。ランディングページの離脱率が高く、ユーザーをコンバージョンに導きにくい場合は、LPOツールを導入して効果的にPDCAを回しましょう。
LPOツールの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
LPOツール 2選|比較・選定ポイントとおすすめ「LPO対策サービス」の特徴や活用事例