ファイアウォールやアンチウイルスなど、複数のセキュリティ対策機能を備えた「UTM(統合脅威管理)」。ネットワーク上のさまざまな脅威・リスクを防御し、セキュリティ対策を効率的に向上させることができます。ここでは、UTMで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。

UTM(統合脅威管理)の導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

UTM3選|比較・選定ポイントとおすすめ「統合脅威管理」の特徴

UTM(統合脅威管理)とは

UTMとは

 

UTMは「Unified Threat Management」の略語で、複数のセキュリティ機能を1つのシステムに集約したセキュリティ対策・セキュリティシステムを指します。日本語では「統合脅威管理」と呼ばれています。

 

近年、企業を脅かすサイバー攻撃・脅威は多様化しているため、さまざまなリスクを想定して総合的にセキュリティ対策を講じる必要性が高まっています。UTMには、ウイルスやスパム、不正アクセスなどの多様な脅威を検知・排除する機能が集約されているため、セキュリティ対策を効率化できます。 

UTMで実現できること

UTMで実現できること

 

複数のセキュリティ機能が搭載されているUTMを導入すれば、以下の3点を実現できようになります。

さまざまな外部攻撃を1つの製品で検知・防御

ネットワークへの攻撃や不正アクセスが多様化している現在、これに対処するには、それぞれの脅威に合わせて複数のセキュリティソフトを導入するといった対策が必要でした。UTMは1つの製品でさまざまなセキュリティリスクに対応することができるため、不正アクセスやウイルス、スパムメールなど多様な脅威をまとめて検知・防御できます。

 

  • ファイアウォール
  • アンチウイルス
  • アンチスパム
  • IDS/IPS

内部からの情報漏えい・不正を防止

UTMは、社内ネットワークの情報セキュリティリスクにも対応しています。Webサイトやアプリケーションへのアクセスを制限する機能や、内部情報の持ち出しを制御する機能により、情報流出を防ぎます。

 

  • Webフィルタリング
  • アプリケーション制御
  • IDS/IPS

UTM機器を設置するだけでセキュリティ対策が完了

複数のセキュリティソフトを導入する場合、各端末にそれぞれインストールする必要がありました。専用機器を設置するアプライアンス型のUTMであれば、社内ネットワークの出入り口にUTM機器を設置するだけで対策できるので、各端末へのインストールは不要です。

UTMの導入で得られる効果

UTMの導入で得られる効果

 

UTMを導入すると、次の3つのメリット・効果が期待できます。

効率的なセキュリティ向上

UTMは複数のセキュリティ機能を備えているオールインワン製品のため、セキュリティ対策を効率化できます。統合的なセキュリティ機能により、個々のセキュリティソフトではカバーできなかった脅威も防げるようになるため、セキュリティの強化にも効果的です。

担当者の負担軽減

さまざまな外部攻撃や脅威に対し、複数のセキュリティ対策ソフトを導入すると、それぞれの運用・アップデートなどに随時マンパワーを要します。オールインワンタイプのUTMでれば、1つの管理画面ですべてのセキュリティ機能の稼働状況を把握できるため、担当者の負担を軽減できます。

セキュリティ対策のコスト削減

UTMを導入すれば、個別にセキュリティソフトを導入するより初期コストを抑えることが可能です。また、複数のセキュリティ対策を一元管理できるようになれば、運用・管理にまつわる人件費も削減できます。

UTMの機能一覧

UTMの機能一覧

 

UTMの主な機能を以下にまとめました。

 

機能

内容

ファイアウォール

社内ネットワークと外部ネットワークとの間で、不正アクセスや外部攻撃を防御する機能

アンチウイルス機能

社内システムに不正侵入しようとするコンピュータウイルスやマルウェア(悪意のあるソフトウェア)を検知・無効化する

アンチスパム機能

迷惑メールやフィッシングメールを検知・排除する

Webフィルタリング

安全性の高いWebサイトのみ閲覧できるように制限をかける

IDS/IPS

・IDSは「不正侵入検知システム」、IPSは「不正侵入防御システム」を指す。リアルタイムで通信を監視し、不正アクセスを検知する

・社内ネットワークでの不審な動きを検知することも可能

・IDSでは管理者に通知するまでを行うのに対し、IPSでは通信を遮断するところまで行う

アプリケーション制御

許可されていないWebアプリケーションへのアクセスを管理・制限する

VPN(Virtual Private Network)

インターネット上に仮想的なプライベートネットワーク(専用線)を設置し、安全な通信環境を構築する機能

 

どの機能が搭載されているかはツールによって異なります。選択の際は注意しましょう。

UTMでセキュリティ対策を強化しよう

多くの機密情報を取り扱う企業にとって、社内システム・ネットワークを守るセキュリティ対策は欠かせません。多彩なセキュリティ機能を網羅したUTMを導入すれば、外部攻撃だけではなく内部不正による情報漏えいも防げるようになります。セキュリティ対策の効率化は、担当者の負担軽減やコスト削減にもつながります。 

 

UTM(統合脅威管理)の導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。

UTM3選|比較・選定ポイントとおすすめ「統合脅威管理」の特徴