会計や販売、物流などの基幹系システムを統合し、あらゆる業務データの一元管理・運用を可能にするERP(ERPパッケージ)。各部門で個別管理していたデータをシームレスに連携できるようになるため、経営効率の向上を促進します。ここでは、ERPで実現できることや機能一覧、導入するメリット・効果を紹介します。
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ERP 17選|比較・選定ポイントとおすすめ「ERPパッケージ」の特徴や活用事例
ERPとは
ERPは、経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」にまつわるデータを一元管理し、経営を効率化する手法・仕組みを指します。「Enterprise Resources Planning(企業資源計画)」の頭文字をとった略語です。
具体的には、会計・販売・購買・生産・物流・人事など企業の基幹業務系システムを統合したもので、日本では「統合基幹業務システム」とも呼ばれています。従来、各部門で個別管理していた業務システムをERPに統合・一括管理し、合理的でスピーディーな経営判断につなげることが主な役割です。
ERPで実現できること
ERPの導入により実現できることは以下の3点です。
基幹業務にまつわるデータを集約できる
ERPの基本機能は、経営の基盤となる基幹業務のシステムをマスターシステムに集約し、情報を一元管理することです。企業の基幹業務には、主に以下のものがあります。
- 会計管理
- 販売管理
- 購買・在庫管理
- 生産管理
- 人事給与管理
従来、会計システムや購買システムなどの基幹系システムは、各部門で個別に運用し、データも独自管理しているケースが一般的でした。ERPを導入すれば、例えば「販売管理の変更データが会計システムに即時反映される」といったシームレスなデータ連携が可能になります。
経営に必要な情報をリアルタイムで確認できる
ERPには、集約したデータをリアルタイムで可視化できる機能が備わっているものがほとんどです。経営戦略や意思決定に必要な情報をすぐに把握することが可能です。
- ダッシュボード機能
社内文書やワークフローを共有・管理できる
一部のERPでは、基幹業務のほか、グループウェア機能を統合管理できるものもあります。個人・チームのスケジュール管理や予定表と連動した施設予約、文書の一括管理、人事総務系の申請・ワークフロー管理などが行えます。
- スケジュール・施設管理
- ワークフロー管理
- 文書管理
ERPの導入で得られる効果
ERPを導入することで、以下の4つの効果が期待できます。
業務効率の向上/人的ミスの防止
業務システムを各部門で個別管理している場合、部門間でデータをやりとりするにはデータ収集・再入力・集計などの手間がかかります。ERPを導入すれば、基幹システム同士のデータが自動的に連携されるため、業務効率を高められます。
また、データ連携によって人手による作業が減れば、誤入力などの人的ミスの防止につながります。
経営情報の可視化・経営判断のスピード向上
「ヒト・モノ・カネ・情報」にまつわるデータが社内に散在していると、経営判断に必要な情報をスムーズに取り出しにくくなってしまいます。ERPによって基幹業務システムを集約すれば、マスターシステムのダッシュボード上であらゆるデータをタイムリーに入手できるようになります。経営情報の見える化は、スピーディな意思決定につながります。
情報システム担当者の負担軽減
部門ごとに業務システムを管理・運用していると、それぞれに保守メンテナンス作業が発生します。ERPによって基幹業務システムを統合すれば、運用保守作業も一元管理できるようになるため、情報システム部門の業務負担を軽減できます。
セキュリティ管理を一元化できる
社内に複数の基幹業務システムを運用しているとセキュリティ管理が複雑になりがちです。ERPを導入すれば、各システムのセキュリティも一括管理できるようになります。データの暗号化やアクセス権限管理など堅牢なセキュリティ機能を備えたERPも多く、機密情報を適切に守ります。
ERPの機能一覧
ERPの主な機能を「基幹業務系」と「情報共有系」に分けてまとめました。
<基幹業務系の機能(モジュール)>
機能 |
内容 |
---|---|
会計管理 |
一般会計、手形管理、部門別予算管理など |
販売管理 |
受注管理、請求・売掛管理、見積・売上管理など |
購買管理 |
発注管理、仕入管理、支払・買掛金管理など |
在庫管理 |
在庫管理、移動・出荷処理、ロット管理、棚卸管理など |
生産管理 |
製品番号管理、製造工程管理、所要量計算、工程実績管理、原価計算など |
営業管理 |
リード・案件管理、商談進捗管理、スケジュール管理、キャンペーン管理など |
人事給与管理 |
勤怠管理、残業管理、労務管理、人事評定管理、給与計算など |
<情報共有系の機能(モジュール)>
プロジェクト管理 |
プロジェクトの進捗管理、タスク管理など |
スケジュール・施設管理 |
個人・組織別のスケジュール登録・管理、予定通知、施設予約など |
文書・ワークフロー管理 |
各種文書の申請・承認管理、社内文書管理など |
どの機能が搭載されているかは製品によって異なります。選択の際は注意しましょう。
ERPで経営効率を高めよう
ERPを導入すれば、社内に分散している基幹業務のデータを集約・一元管理できるようになります。必要な情報をタイムリーに取り出せるようになれば、業務効率の向上やスピーディな意思決定につながります。ERPを活用して経営効率を高めましょう。
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