企業の人事制度や組織マネジメントの改善を支援する「人事コンサルティング」。専門的な知見・ノウハウを駆使し、自社では対応しきれない人事にまつわる課題を解決してくれます。ここでは、人事コンサルティングのサービス内容と活用するメリット、利用の流れを説明します。

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人事コンサルティングとは

人事コンサルティングとは

 

人事コンサルティングとは、企業の人事・組織にまつわる課題解決を支援するコンサルティングサービスです。提供内容には組織分析や組織改革をともなうことが多く、組織人事コンサルティングとも呼ばれています。

人事部門の業務領域は人事・採用・報酬・労務・人材育成など非常に幅広いですが、人事コンサルティングが主に手がけるのは、人事戦略や人材育成・組織開発(チェンジマネジメント)のサポートです。以下のように整理できます。

 

●人事戦略

  • 人事制度の構築
  • 採用戦略

 

●人材育成・組織開発(チェンジマネジメント)

  • 能力開発
  • 意識・行動改革
  • 幹部育成
  • グローバル人事マネジメント
  • タレントマネジメント

 

企業の骨格を決める人事戦略・組織改革は、業績や従業員のモチベーションを左右する重要なものです。とはいえ、人事にはデリケートな問題をはらみ、社内で制度改革を断行するのは容易ではないため、人事コンサルティングを活用する企業が増えています。

人事コンサルティングのサービス内容

人事コンサルティングのサービス内容

 

一般的な人事コンサルティングでは、大きく3つの領域における支援サービスを提供しています。

現状分析・人事戦略の策定

企業の人材配置や組織マネジメントの現状分析を行い、経営戦略をふまえて今後の人材戦略の策定をサポートします。グローバル戦略やM&Aにともなう人事戦略・組織再編に対応しているコンサル会社もあります。

 

  • 組織課題の分析
  • 人材・組織マネジメント分析
  • 組織診断(従業員満足度調査など)
  • 経営計画に基づいた人事戦略の立案
  • 人事改革のロードマップの策定
  • グローバル人事戦略の策定
  • M&Aにともなう組織再編

人事評価制度・賃金制度の構築

従業員を公正に評価して処遇を決めるには、その基準となる人事評価(考課)制度や等級制度を構築する必要があります。人事コンサルティングでは、等級・人事評価・給与の3つの制度づくりをサポートします。

 

  • 等級制度の設計(等級の定義、職務・職能要件の設定など)
  • キャリアパスの策定
  • 人事評価制度の設計(評価項目・評価基準の設定など)
  • 目標管理制度やコンピテンシーの策定
  • 賃金・賞与制度の設計・導入
  • 退職金制度や確定拠出年金の設計・導入

人材育成・研修プログラムの企画実施

人事コンサルティングでは、経営目標達成のために必要な人材を育成するための教育・研修プログラムを企画・実施しているところも多くあります。理想的な人材像を構築し、そこに向けた人材育成体系を構築して従業員の能力開発を後押しします。

 

  • 理想的な人材像や人材育成体系の構築
  • 従業員の能力開発プログラムの企画・実施
  • キャリアパスの設計
  • コーチング、モチベーション管理

人事コンサルティングを活用するメリット

人事コンサルティングを活用するメリット

 

人事コンサルティングを利用するメリットには、主に以下の3点が挙げられます。

自社に不足しているノウハウを得られる

人事部が担当する業務範囲は幅広く、全領域を社内リソースだけで対応するのは難しい場合があります。人事コンサルティング会社には、人事戦略や人事制度を構築する多様な知識・ノウハウが蓄積されているため、自社の経営戦略や課題にマッチした効果的な改善策を提案してもらえます。さまざまな企業の人事コンサルティングを手がけるプロのノウハウを自社に取り入れられるのは大きなメリットです。

社内の業務負担を抑えて人事制度改革を実施できる

既存の人事制度を見直し、改善するには多大な労力・時間を要するため、自社で対応する場合はリソースを大幅に割かなくてはなりません。バックオフィス部門である人事部の人的リソースが潤沢な企業はあまり多くないでしょう。人事コンサルティングを利用すれば、人事制度改革を一気通貫でサポートしてもらえるため、担当者の負担を抑えることができます。

しがらみのない合理的な改革がしやすくなる

人事制度改革には人事評価や給与などのデリケートな問題が絡んでくるため、社内の人間だけでは大きな改革を断行しづらいことがあります。その点、人事コンサルティングには社内の人間関係の“しがらみ”がないため、客観的な視点から自社の人事制度の課題を指摘し、合理的な改善策を提案します。また、経営層とも忌憚のない率直な意見を交わせる存在であるため、経営層が理にかなった意思決定をしやすいという点もメリットです。

人事コンサルティングを利用する流れ

人事コンサルティングを利用する流れ

 

人事コンサルティングを利用する際の、一般的な流れは以下の通りです。

相談

電話やHPなどのお問い合わせフォームから、人事制度や組織マネジメントに関する自社の課題を相談します。人事コンサルティングからは、課題に対する支援の方向性や具体例などの説明があります。

面談・打ち合わせ

担当コンサルタントと面談・打ち合わせを行い、コンサルティング内容を具体的に決めます。自社の人事制度の現状・課題がわかる資料を用意し、コンサル会社と問題点を共有しましょう。この段階で、コンサルタントの人柄や実績、コミュニケーション力などを確認しておくことをおすすめします。

見積書・コンサルティングプランの確認

相談内容を受け、人事コンサルティング会社から見積書とコンサルティングプランが提示されます。料金に含まれるサービス内容や実施期間などをよく確認し、不明点があれば些細なことでも問い合わせておきましょう。

コンサルティングの実施・検証

依頼内容に沿って、人事コンサルティングが実施されます。計画通りにスムーズに進行するよう、コンサルタントをサポートする社内の協力体制を整えましょう。また、施策を実施したあとは、成果を検証して次のアクションにつなげることが重要です。しっかりと効果検証を行ってくれるコンサル会社であるか、事前に確認しておきましょう。

強い組織作りを後押しする人事コンサルティング

人事のプロである人事コンサルティングを活用すれば、自社での断行が難しい人事戦略・人事制度の改革を推進しやすくなります。客観的な意見を取り入れ、効果的な改善策を実行することで、経営戦略の実現に向けた強い組織づくりが可能になります。 

 

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