「一人では何も出来ない」ということを実感してほしかった。
無人島研修を考えられた背景は何だったのでしょうか。
現在当社では中期経営計画におけるグループ戦略の柱として「事業間連携」をテーマに掲げておりますが、各事業の専門性が高く、事業を跨ぐローテーションの機会は限られています。その結果、どうしても同じ専門分野でお互いを分かっている人同士での仕事が多くなり、"コミュニケーションの幅"や"人の動かし方"が限定的になりやすい社内環境でした。そこで、二年に一度実施している“選抜研修”では、各事業分野から選抜した将来のリーダー候補人材を融合させ、一体感を生み出したいという考えがありました。
また、勤続年数を重ねるほど、ほとんどの実務において「自分が一番知っている」という状態が生まれてきます。結果、誰かの力を借りずとも仕事を完遂できると考えるようになってきます。今回の研修ではあえて「一人では何も出来ない」という状況に身を置くことによって、「協力しないと成し得ないことがある」ということに改めて気付くことができる研修にしたいと考えていました。非日常的な空間で、自己の組織における権限や、充実したインフラなどの業務の利便性から隔離された環境である“無人島”こそが相応しい場所だという考えに至りました。